完璧な花瓶を作るために

はじめまして。

ちょっと長めの文章を書いてみたくなったのでこの度ブログを開設しました。私の名前はGiapで"ザップ"と読みます。名前の由来については次回あたりに書こうかなーと思っております。

 

さて、先日ツイートでも紹介しましたが、私は今「Nas Daily」(ナス デイリー)というフェイスブックページに注目しています。

 

 

このページを簡単に説明すると、Nas(本名 Nuseir Yassin) という25歳、ハーバード大卒パレスチナイスラエル人が世界中を旅して、その様子をまとめた1分間の動画を毎日アップロードしているページです。何がすごいのかというと、旅行中に毎日かかさず動画を作ってアップロードしているところ。私はこのライブ感に完全にドハマりしてしまいました。Nas Dailyは現在FBでのいいね数が130万以上の人気ページです。興味のある方は、まず下記リンクからNasの自己紹介動画を見てみてください。

https://www.facebook.com/nasdaily/videos/813387282146759/

 

今日はこの動画の中の、「なぜNas毎日動画を作るのか?」という部分について語りたいと思います。Nasはこの問いかけに対して、以下の例をあげて回答しました。

 

とある大学の教授が、実験のために学生をグループAとグループBの2つのグループに分けました。グループAの学生には「できるだけ多くの花瓶を作れ」と指示し、グループBの学生には「ひとつだけ、完璧な花瓶を作れ」と指示しました。実験終了時に、より美しい花瓶を作ったのはどちらのグループだったでしょう?

 

 

みなさんはどちらだと思いますか?

 

 

答えは、グループAです。

完璧にこだわらず、ひたすら花瓶を作り続けたグループAの学生こそが、完璧な花瓶の作り方をマスターした学生だったのです。そして、これがNas毎日動画を作る理由です。「継続することこそが"better video maker "及び"better storyteller"になる為の唯一の方法である」と彼は言っており、これが事実であることはNas自身が証明しています。彼はこれまでに自身のFBページで400本以上の動画を公開していて、最近の動画は初期とは比べものにならないほどクオリティの高いものになっています。

  

なぜ花瓶をたくさん作ると花瓶の作り方をマスターできるのか、なぜ毎日動画を作ることによってよりクオリティの高い動画をつくることができるようになるのか。その秘密は「試行回数」「習慣化」にあります。これからその仕組みを説明します。

 

まず、試行回数と成果の関係性について。花瓶の例に関して、「なぜグループBのように完璧を目指しても、完璧な花瓶はつくれないの?」と疑問に思われた方も多いと思います。私は、これは「全体像の把握」と「失敗からの学習」の有無と関係があると思っています。花瓶の例でいうと、グループBの学生はひとつひとつの工程を完璧にこなそうとするので、一番最初の粘土をこねこねする作業にも多くの時間をかけます。一方、グループAはたくさんの花瓶をつくることを指示されているので、グループBが粘土をこねこねしている間にろくろを回しはじめ、一つ目の花瓶を作り上げてしまいます。

 

そうして完成した一つ目の花瓶のクオリティはSucksかもしれませんが、一つ目を作り終えた時点でグループAの学生は作業工程の全体像を把握しています。これからやるべきことは作業の効率化と、細部の質を上げることの2つだけ。そしてこれらは2回、3回と試行回数を重ねるごとに洗練されていきます。試行回数が増えるごとに、見えてくる改善点の数も増えていきます。「失敗から学ぶ」というのはまさにこのことです。

 

それとは真逆で、グループBの学生は全体像をつかめておらず、失敗から学んで作業を修正するということができないので、細部にこだわって完璧な花瓶を作ろうとしてもその結果はお粗末なものになってしまいます。 

 

"Done is better than perfect"

 

これはFacebookの創業者マーク・ザッカーバーグの有名な言葉です。これは花瓶の例にぴったり当てはまります。何をするにも"とりあえず完成"という状態になって、はじめて次に進むことができます。とりあえず完成→作業工程で見つけた問題点を改善する、とりあえず完成→作業の無駄を無くす といった感じ。いきなり"Perfect"を目指していては、いつまでたっても"Done"に辿り着けないので、上の2つの例のように全体像を把握して作業を修正するということができません。極端な言い方をすればPerfectを目指すのはPerfectへの一番の遠回りであり、Doneを目指すのがPerfectへの一番の近道であるということです。もちろん、Done且つPerfectが一番好ましいのですが、いきなりこの結果を出すのは難しいので、まずはDoneを目指しましょう。

 

次に、習慣化と成果の関係性について説明したいと思います。人間のやる気や集中力といったものは脳の前頭葉という部分がコントロールしており、そのコントロールする力を「ウィルパワー」と呼びます。このウィルパワーには一定の量があり、何かに集中したり、意思決定をする度に消耗していくそうです。自分を操る超集中力」というDaiGo氏の著書ではスティーブジョブズが毎日同じ服を着ていたのも無駄な意思決定を控え、ウィルパワーを温存するためだと説明していました。

 

また同書によると、ウィルパワーの消耗は習慣化によって防ぐことができるそうです。あるタスクに慣れてしまえば、小脳が前頭葉に変わって自動的に判断を下すようになるので、無意識にそのタスクをこなすことができるという仕組みです。実際、プロサッカー選手やプロゴルファーの前頭葉はゲーム中にほとんど活動していないらしいですね。なので「うわっ、めんどくさ」と思ってしまうような作業でも、慣れてしまえばウィルパワーを消費することなく、半自動的に完了させることができるようになります。

 

さて、このことを花瓶の例にあてはめてみましょう。グループBの学生は、ひとつの完璧な花瓶をつくることを指示されているので、ひとつの作業も手を抜けない状況です。そうなると、グループBの学生は常に集中状態を維持し、適切な判断をしていかなければなりません。このような状況ではいずれウィルパワーが尽き、集中力が切れ、どこかで綻びが生じます。完成した作品も完璧とはほど遠いものになってしまいます。

 

一方で、グループAの学生はたくさんの花瓶をつくることを指示されているので、ひとつが完成したら、また次の花瓶を作り始めるということの繰り返しです。この一連の作業を繰り返せば、はじめの頃は「重大な意思決定」であったはずの集中力を要する作業にも徐々に慣れていき、そのうちそれは「考える必要もない作業」になります。わかりやすく例えると「あ、これ進●ゼミでやったところだ!」状態ですね。そして、ある作業を習慣化してしまえば、余ったウィルパワーを別のところに使い、新しいことに集中できるようになります。つまり《習慣化→別の作業に集中→習慣化・・》という黄金サイクルが生まれ、これを繰り返すうちに花瓶のクオリティは向上していきます。

 

以上が「なぜより多くの花瓶を作ったグループが完璧な花瓶を作れるようになるのか」という問いに対する私の答えです。

上に書いたことを一言でまとめると「完璧な花瓶を作りたければ、継続してたくさんの花瓶を作り、作業工程に磨きをかけろ」です。学習と習慣化によってムダを極限まで省き、作業工程に磨きをかけることこそが、完璧な花瓶を作り上げるための唯一の方法なのです。"Practice makes perfect"という英語のフレーズがありますが、まさにこの通りですね。

 

さて、こんな感じで初ブログを書いてみたわけなのですが、なぜ一発目でこの内容について書こうと思ったのかというと、それは私が自分の文章力の乏しさに危機感を感じているからです。笑 これからも文章力の向上のため、また面白い情報を読者の皆様にお届けするために、時間がある時はこうして文章を書いてアウトプットしていこうと思います。いつかperfectなブログを書くことを夢みて頑張っていきますので、どうかあたたかい目で見守ってください笑 お付き合いいただきありがとうございました。